相続登記の申請が義務化されました YouTube

登記の順番

不動産を買ったときは、外部から見て分かるように公示をしておかないいけません。公示とうのは公に示すという意味です。要するに登記のことです。そうしないと第三者に物件の変動を対抗できないのです。対抗できないというのは、自分に所有権あることを主張できないということです。この原則のことを公示の原則といいます。

公示の原則

民法の該当条文は177条です。

民法
第百七十七条(不動産に関する物権の変動の対抗要件)

不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

公示の原則の例外

公示の原則を踏まえれば、登記の申請は、登記の原因が起きた順番に行うのが大原則です。ところが、この例外として、この原則に反する登記があります。

時間を逆行させて、登記原因が新しいものを先に登記をする場合があるのです。つまり、登記原因が起きた順番ではなく、古いものを後に登記をする場合があるのです。

例えば、抵当権の抹消登記をする場合に、所有権の登記名義人の住所が、登記簿上の住所と異なっている場合には、抹消の原因日付よりも、住所移転の原因日付が後であっても、住所変更の登記を先にしなければなりません

これは、抵当権の抹消登記を先にしてしまうと、その後に申請する住所移転の登記の際の申請者の住所表示と異なってしまい、別人と判断されてしまうからです。

(登記研究355号90頁)

抵当権の登記の抹消を申請する場合に、登記権利者たる所有権登記名義人の現在の氏名等が登記記録上の氏名等と符合しないときは、登記の抹消の前提として所有権登記名義人の氏名等の変更登記を申請することを要する。

理屈としてはわかっています。しかしながら、登記原因が起きた順番に登記をしなければなならないという感覚が染みついているめ、今でも不安な気持ちになってしまうのがこの登記です。

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