相続登記の申請が義務化されました YouTube

遺産分割による贈与

相続財産がほぼ不動産である場合、共有相続が避けられない場合があります。代償金に充てる資金がないために代償分割ができないためです。

代償金の代替手段としての不動産の提供

そのような場合、代償金の代替手段としてはいくつかの方法が考えられます。そのひとつが、相続財産ではない自らの固有財産(不動産)を提供する方法です。この場合、不動産を提供する相続人と、それを受け取る相続人との間で合意が必要です。

登記における注意点

この場合の登記原因は、「遺産分割による贈与」となります。「遺産分割(共有物)による交換」や「遺産分割による代償譲渡」も可能という見解もあります。しかしながら、実務上は「遺産分割による贈与」が一般的です。

このほか、遺産分割協議書などにおいて、「代償金の支払に代えて」等の代償分割のために行うことを明記すべきです。

税金面での注意点

税金面の注意点としては、有償譲渡と解されれば譲渡所得税が、無償譲渡と解されれば贈与税が課税される可能性があります。

不動産の瑕疵に関する対応

トラブル防止の観点から、贈与の対象となった不動産に瑕疵(かし)があった場合が発生することがあります。瑕疵とは、欠陥や不具合のことです。例えば、不動産の価値が思っていたよりも低かった場合、トラブルになる可能性があります。

瑕疵担保責任は、不動産の瑕疵の程度や、贈与者や受贈者の認識などによります。このため、一概に瑕疵担保責任を問えるかどうかの判断難しいです。一般的には、瑕疵担保責任については免責することとする例が多いように思われます。

※ 2020年4月の民法改正により、「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に改称されました。

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