「来月中に会社の本店を移転をする予定なので、登記の申請をお願いします。」
このような依頼を受けることがありますが、現時点では、登記の申請はできません。登記すべき事由が生じていない段階で、登記をすることはできないからです。
おそらく、依頼者は、会社設立のようなイメージでご相談いただいたのだと思います。
(会社設立は、登記が効力発生の要件です。)
では、いつになったら登記の申請ができるのでしょうか。
本店を移転するには、①取締役会の決議(定款変更を伴う場合は、株主総会の決議も必要)と②引っ越し等で現実に本店を移転するという2つの要件が必要になります。この2つの要件が揃ってから2週間以内に登記をする必要があります。
実際問題として、取締役会等の決議をする段階では、現実に移転する日がわからない場合があります。
会議の開催時に、移転日が未定の場合には、「〇年〇月〇日頃」としたり、「〇年〇月〇日から〇年〇月〇日まで」として、決議をすることも可能です。議事録上の移転日と現実の移転日が異なる可能性がある場合は、このような曖昧な形で決議をするとよいでしょう。
また、会議で決めた日と現実に移転する日がずれてしまうこともあります。
このような場合は、2つの要件が満たされた日、すなわち、いずれかの遅い日が、本店移転日ということになります。
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